あなたは、IPOに申し込むとき、資金をいつまでに入金すれば良いのかをご存知でしょうか?
知っている人も多いと思いますが、証券会社によって入金が必要なタイミングが異なります。
ここで、入金タイミングを理解すれば、IPO投資の資金効率を上げることができます。つまり、少額資金でも複数の証券会社からIPOの申し込みができ、抽選機会を増やすことが可能です。
そこでこのページでは、IPOの入金タイミングを証券会社ごとにお伝えします。
目次
IPOの抽選を受けるために、資金をいつまでに入金すれば良いのか?
IPOに申し込むとき、入金タイミングは証券会社によって異なります。
ここで、資金が必要なタイミングを早い順に並べると以下のとおりです。
(1)ブックビルディング(需要申告)時
(2)抽選実施時
(3)購入申込時
(4)当選して購入するとき
このとき、(1)と(3)の証券会社を組み合わせれば、IPOの申し込み資金が1回分しかなくても、抽選に2回参加することができます。
なぜなら、IPOの抽選時期が異なるため、入金タイミングをズラすことができるからです。
例えば、マネックス証券の抽選結果がわかってから資金を移動しても、岩井コスモ証券の「購入申込」をすることもできます。
また、(4)の証券会社は、IPO申し込み時に前受金が不要ですので、少額資金の人は積極的に申し込んでおくことをおすすめします。
(1)ブックビルディング(需要申告)時に資金が必要な証券会社
証券会社名 | IPO取扱実績 | ネット配分(抽選方法) | IPO抽選ルール |
SMBC日興証券 | とても多い | 10%(1人1票)、ステージ別抽選5% | 詳細 |
マネックス証券 | 多い | 100%(1人1票) | 詳細 |
みずほ証券 | 多い | 10%(1人1票) | ー |
大和証券 | 多い | 15%(1人1票など) | ー |
岡三証券 | 多い | 10%(1人1票) | ー |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | やや多い | 10%(1人1票) | ー |
カブドットコム証券 | やや少ない | 100%(1人1票) | 詳細 |
東海東京証券 | やや少ない | 10%(1人1票) | ー |
楽天証券 | 少ない | 100%(1人1票など) | 詳細 |
ブックビルディング時に資金が必要な証券会社は、上記の表のとおりです。
基本的には、IPOに申し込むとき、ブックビルディング時に資金が必要だと覚えておいて良いと思います。
ここで、マネックス証券とSMBC日興証券などは、需要申告時に資金拘束がされるため、同一資金で複数のIPOに申し込むことはできません。
資金拘束とは、IPOの申込から抽選までの間、買付余力から資金が差し引かれることです。
一方、大和証券、カブドットコム証券、みずほ証券などは、需要申告時に買付余力は必要です。しかし、資金拘束はされないので、抽選日がズレていれば、同一資金で複数のIPOに応募をすることができます。
このように、どちらのパターンでも、ブックビルディング時に資金が必要な点は同じです。
(2)抽選実施時に資金が必要な証券会社
証券会社 | IPO取扱実績 | ネット配分(抽選方法) | IPO抽選ルール |
SBI証券 | とても多い | 50%(応募株数35%、IPOチャレンジポイント15%) | 詳細 |
丸三証券 | 少ない | 10%(1人1票)、90%(ステージ) | 詳細 |
立花証券 | とても少ない | 10%(1人1票) | 詳細 |
IPO抽選実施時に資金が必要な証券会社は、SBI証券、丸三証券、立花証券です。
ブックビルディング最終日の翌営業日が抽選日になります。
ここで、ブックビルディング時に資金が必要であるか、抽選日に資金が必要であるかは、4、5日しか変わらないため、あまり影響がないように感じます。
しかし、管理人は、他の証券会社で別のIPOが終わった後にすぐに出金指示を出し、抽選日までにSBI証券に入金をして応募株数をさらに増やしたことがあります。
つまり、同じIPO銘柄を申し込むときにはあまり大差ありませんが、他にIPOがあるときは、この4、5日が大きく影響するのです。
(3)購入申込時に資金が必要な証券会社
証券会社 | IPO取扱実績 | ネット配分(抽選方法) | IPO抽選ルール |
岩井コスモ証券 | やや多い | 10%(1人1票) | 詳細 |
GMOクリック証券 | とても少ない | 100%(1人1票) | 詳細 |
IPO購入申込時に資金が必要な証券会社は、岩井コスモ証券、GMOクリック証券です。
一般的に、IPOは、ブックビルディング期間に申し込みをして、抽選結果を待ちます。
しかし、二段階の申込方式の証券は、ブックビルディング後の「購入期間」でも申し込みを行う必要があります。
つまり、ブックビルディングの参加時に資金は要りませんが、後日の「購入申込時」には資金が必要です。
このとき、ブックビルディング時に資金が必要な証券会社と組み合わせれば、IPOの申し込み資金が1回分しかなくても、抽選に2回参加することができます。
(4)当選して購入するときに資金が必要な証券会社
証券会社 | IPO取扱実績 | ネット配分(抽選方法) | 前受金不要 | IPO抽選ルール |
野村證券 | やや多い | 10%(1人1票) | 〇 | ー |
いちよし証券 | やや多い | なし(抽選配分10%) | 〇 | ー |
岡三オンライン証券 | 多い | 100%(1人1票など) | 〇 | 詳細 |
松井証券 | やや少ない | 70%(1人1票) | 〇 | 詳細 |
ライブスター証券 | 少ない | 100%(1人1票) | 〇 | 詳細 |
むさし証券 | 少ない | 10%(1人1票) | 〇 | 詳細 |
DMM.com証券 | 少ない | 100%(1人1票) | 〇 | 詳細 |
IPOに当選後、購入するときに資金が必要な証券会社は、野村證券、いちよし証券、岡三オンライン証券、ライブスター証券、むさし証券、DMM.com証券です。
つまり、当選するまで資金はいらないので、IPOの申し込み前受金が不要となります。
そのため、少額資金でも複数の証券会社からIPOに申し込むことができ、IPO抽選の機会を増やせるのです。
以下、IPO申し込みに前受金が不要な、野村證券、いちよし証券、岡三オンライン証券、松井証券、ライブスター証券、むさし証券、DMM.com証券の7社を詳しくお伝えします。
野村證券
【野村證券のIPO抽選のポイント!】
・IPO主幹事実績がトップクラス
・一般的に、IPOは主幹事証券会社に約8割~9割ほど割当られる
→当選本数が多いため、主幹事証券会社からIPOに申し込むことは当選の近道
・野村證券のネット配分は約10%(1人1票)
・IPO申込の事前入金が不要
野村證券は、IPOの主幹事実績がトップクラスです。一方、IPOのネット配分が少なく、抽選のライバル数も多いため、IPOにはなかなか当たりません。
仮にIPOに当たるとしても、あまり儲からない(当選本数の多い)銘柄も配分されるようです。これに関しては、事前にIPO銘柄の初値予想や評判を調べておきましょう。
野村證券からネット申込でIPOに当選するコツは、抽選資金が不要なのを利用して、良い銘柄であれば毎回IPO抽選に参加することです。
2018年IPO取扱実績 | 口座数 | ネット配分(抽選方法) | NISA | 未成年 | ジュニアNISA |
37社 (41%) | 530万人 | 10%(1人1票) | 〇 | × | × |
いちよし証券
【いちよし証券のIPO抽選のポイント!】
・2018年10月1日より、「インターネット」からもIPOに申し込めるようになりました!
・IPO取扱実績は、そこそこ多い
・抽選配分が10%
・裁量配分が90%
・IPO申込の事前入金が不要
抽選配分とは、無作為に当選者を選出して、IPOを平等に配分することです。一方、裁量配分とは、証券会社の裁量で優先的に得意客にIPOを配分することです。
ただし、いちよし証券へのIPOの割当枚数が「50単元未満」のときは、抽選には回りません。
いちよし証券からIPOに当選するコツは、IPO申し込みの前受金が不要なのを利用して、良い銘柄であれば毎回IPO抽選に参加すること、特にIPO割当の多い主幹事のときは必ず申し込むことです。
2018年IPO取扱実績 | 口座数 | ネット配分(抽選方法) | NISA | 未成年 | ジュニアNISA |
31社 (34%) | 20万人 | 10%(1人1票) | 〇 | × | × |
岡三オンライン証券
グループ会社の岡三証券が幹事のとき、委託販売が期待される証券会社
【岡三オンライン証券のIPO抽選のポイント!】
・IPO取扱実績が多いネット証券
・口座数は少なく、ライバルも少なく穴場
・ネット配分が100%(1人1票)
・IPOの抽選をステージ別に行っているが、優遇対象者は少ないと思われる
・IPO申込の事前入金が不要
・グループ会社の「岡三証券」が主幹事のときに、IPOが多く回ってきてチャンス
岡三オンライン証券は、IPOの取り扱いが多いです。また、ライバルの数が少ないため、穴場な証券会社です。
岡三オンライン証券からIPOに当選するコツは、抽選資金が不要なのを利用して、良い銘柄であれば毎回IPOの抽選に参加すること、委託幹事のときもIPOに申し込むことです。
2018年IPO取扱実績 | 口座数 | ネット配分(抽選方法) | NISA | 未成年 | ジュニアNISA |
47社 (52%) | 20万人 | 100%(1人1票など) | 〇 | 〇 | 〇 |
松井証券
IPOの申し込み方法が改善された証券会社
【松井証券のIPO抽選のポイント!】
・IPO取扱実績は、やや少ない
・ネット配分は約70%(1人1票)
・IPO申込の事前入金が不要に変更!
松井証券は、IPOの取り扱いはやや少ないです。しかし、IPOのネット配分が多く、申込方法も改善されたので、意外と狙い目の証券会社です。
松井証券からIPOに当選するコツは、抽選資金が不要なのを利用して、良い銘柄であれば毎回IPOの抽選に参加すること、委託幹事のときもIPOに申し込むことです。
2018年IPO取扱実績 | 口座数 | ネット配分(抽選方法) | NISA | 未成年 | ジュニアNISA |
9社 (10%) | 150万人 | 70%(1人1票の完全抽選) | 〇 | 〇 | 〇 |
ライブスター証券
2017年にIPOに新規参入した期待の証券会社
【ライブスター証券のIPO抽選のポイント!】
・2017年にIPOに新規参入
・IPOの取扱実績はまだ少ない
・口座数は少なく、ライバルも少なく穴場
・ネット配分は100%(1人1票)
・IPO申込の事前入金が不要
・2018年12月から、「IPO専用申込画面」の申込方法に変わりました!
ライブスター証券は、IPOの取り扱いはまだ少ないです。しかし、ライバルの数も少ないので、今後のIPOの取り扱いを期待して、口座を開設しておくべきです。
ライブスター証券からIPOに当選するコツは、申し込みの前受金が不要なのを利用して、良い銘柄であれば毎回IPO抽選に参加すること、委託幹事のときもIPOに申し込むことです。
2018年IPO取扱実績 | 口座数 | ネット配分(抽選方法) | NISA | 未成年 | ジュニアNISA |
4社 (4%) | 少ない | 100%(1人1票の完全抽選) | 〇 | × | 〇 |
むさし証券
IPO申し込み時に前受金が不要、少額投資家に心強い証券会社
【むさし証券のIPO抽選のポイント!】
・IPO取扱実績は少なめ
・口座数は少なく、ライバルも少なく穴場
・ネット配分が10%(1人1票)
・IPO申込の事前入金が不要
むさし証券は、IPOの取り扱いが少なめですが、ライバル数もそこまで多くはないと考えられます。そのため、IPO投資では、押さえておきたい証券会社です。
むさし証券からIPOに当選するコツは、抽選資金が不要なのを利用して、良い銘柄であれば毎回IPO抽選に参加すること、委託幹事のときもIPOに申し込むことです。
2018年IPO取扱実績 | 口座数 | ネット配分(抽選方法) | NISA | 未成年 | ジュニアNISA |
12社 (13%) | 少ない | 10%(1人1票の完全抽選) | 〇 | × | × |
DMM.com証券(DMM株)
2019年にIPOに新規参入した期待のネット会社
DMM株からついにIPOが申し込めるようになりました!
【DMM株のIPO抽選のポイント!】
・2019年にIPOに新規参入
・IPOの取扱実績はまだ少ない
・ネット配分は100%(1人1票)
・IPO申込の事前入金が不要
・DMM株にIPOが割り当てられなかった場合、抽選は行われない
DMM.com証券は、IPOの取り扱いはまだ少ないです。しかし、今後のIPOの取り扱いを期待して、口座を開設しておくべきです。
DMM.com証券からIPOに当選するコツは、申し込みの前受金が不要なのを利用して、良い銘柄であれば毎回IPO抽選に参加すること、委託幹事のときもIPOに申し込むことです。
2018年IPO取扱実績 | 口座数 | ネット配分(抽選方法) | NISA | 未成年 | ジュニアNISA |
0社 | 70万人 | 100%(1人1票) | 〇 | 〇 | 〇 |