初めてIPO投資をする人は、IPOが本当に儲かるのか半信半疑なのではないでしょうか?
IPO投資とは、証券会社からIPO(新規公開株)を抽選で取得して、初値がついたらすぐに売ることです。
【用語の説明】
・IPO(Initial Public Offering)とは
企業が株式市場に新規に上場すること。投資家は、上場した株を自由に売買できるようになります。上場するときに新しく株式市場に売り出される株を「新規公開株」と言います。
結論から言うと、年度にもよりますが、IPO投資は勝率8割を超えることも多いのです。
しかも、高度な専門知識も必要ありません。淡々とIPOに応募をして、当選したら初値で売るだけで利益を上げることができます。
実際、私も、IPO投資は積極的に行っていて、1年も経たないうちに約15万円の利益をあげることができました。
しかし、IPOは人気があるため、買うときに抽選になり、当選しにくいという問題点もあります。このとき、複数の証券会社から申し込めば、IPOに当たりやすくなります。
そこでこのページでは、「IPOは本当に儲かるのか? IPOのリターン、リスクと対策を解説!」をお伝えします。
目次
IPO(新規公開株)とは?
IPOとは、「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略称です。日本語で「新規公開株」のことを意味し、一般的に「アイ・ピー・オー」と呼びます。
一般的に、会社が大きくなると、経営者は、より多くの売上や利益を求めて新たな資金調達をします。資金は、主に「銀行からの借り入れ」か「株式市場からの募集」により調達をすることができます。
ここで、企業は新しく上場して株を売り出すことで、株式市場から「返さなくても良い資金」を集めることができます。つまり、企業が上場する一番の目的は、この資金調達にあるのです。
投資家は、株価が上がれば、売って儲けることができるので、将来性のある会社の株を買うのです。
補足ですが、企業が上場する理由は、「知名度の向上、社会的な信頼を得る、社員のため」など他にもいくつかあります。
このとき、上場時に新しく株式市場に売り出される株を「新規公開株」といいます。この新規公開株を買ったとき、値上がりすることが多いので、初値で売ると儲けやすいのです。
IPO投資のリターン(メリット)
IPO投資のリターン(メリット)を以下に4つお伝えします。
1.IPO投資は、ローリスク・ハイリターンの投資
IPO投資は、投資金額が少なく勝率が高いため、ローリスク・ハイリターンの投資と言えます。
IPO投資は、30万円ほどあれば、だいたいどの抽選にも申し込めます。投資資金は数百万円も必要ありません。
さらに、年度にもよりますが、IPO投資の勝率は約8割あり、とても有利に投資ができます。プロの世界で株を運用するファンドマネージャでさえ、株式投資の成績は6勝4敗で良いとされています。それと比較をしたら、勝率8割は驚異的な数字です。
例えば、以下の画像は、2016年7月に上場した無料対話アプリを運営する「LINE」を始点にして遡り、過去1年間のIPO投資の全成績をまとめています。
これは、ヤフーファイナンスからデータを引用しており、売買単位は1単位100株のときです。結果、IPO投資の成績は、88戦73勝13敗2分となりました。初値売り利益とは、売るときの「初値」から買うときの「公募価格」を引いた値です。
この期間において、勝率は8割を超え、初値売り利益の平均は約14万円です。もし、「ネオジャパン」に当選して初値で売っていれば、116万5千円が儲かっていたことになります。
もちろん、損をしてしまうこともありますが、それでも「ユー・エム・シー・エレクトロニクス」の5万2千円が最大損失金額です。負ける確率は2割を下回っています。
しかも、対策をすれば、損をしそうな銘柄を買わないこともできます。具体的には、IPOの初値予想を調べれば、儲からなそうな銘柄がわかりますので、買わなければよいのです。
ここで、もう一つIPOの勝率が高いと言える根拠をお伝えします。
上の画像は、金融庁の監督下にある大手証券会社の「SMBC日興証券」が発表した信頼できる情報です。
これは、私が分析したデータと期間は少し異なりますが、同様にIPOの勝率は8割以上です。ただし、REIT(不動産投資信託)と投資法人のIPOは除いているようです。
このように、IPO投資は、投資金額が少なくすみ、勝率がとても高い投資であることがわかると思います。
①年代別のIPOの勝率、件数
ここで、他の年のIPOの勝率が気になる人も多いと思います。なぜなら、1年間のデータだけでは、たまたま良かった年かもしれませんので、信頼性が薄いからです。
そこで、年代別にIPOの勝率や件数をまとめましたので参考にしてください。
年代 | IPOの件数 | 勝敗・引き分け | IPOの勝率※ |
2021年 | 125件 | 103勝20敗2分 | 82% |
2020年 | 93件 | 69勝23敗1分 | 74% |
2019年 | 90件 | 77勝12敗1分 | 86% |
2018年 | 90件 | 80勝9敗1分 | 89% |
2017年 | 90件 | 82勝8敗 | 91% |
2016年 | 83件 | 67勝15負1分 | 81% |
2015年 | 92件 | 82勝8負2分 | 89% |
2014年 | 83件 | 65勝15負3分 | 78% |
2013年 | 60件 | 56勝3負1分 | 93% |
2012年 | 50件 | 39勝11負0分 | 78% |
2011年 | 36件 | 19勝14負3分 | 52% |
2010年 | 22件 | 10勝9負3分 | 45% |
2009年 | 19件 | 13勝4負2分 | 68% |
2008年 | 52件 | 20勝29負3分 | 38% |
2007年 | 121件 | 89勝29負3分 | 73% |
2006年 | 188件 | 159勝20負9分 | 84% |
※IPOの勝率は、引き分けを含めず、少数第3位を四捨五入で計算しています。
上記の表のとおり、多くの年代でIPOの勝率は、80%前後で推移しています。
ここで、2008年~2011年にかけて、IPOの勝率が50%前後で推移し、IPOの件数も少ないのが目立ちます。これは、2008年にリーマンショックが起きてから、景気が悪くなったためです。
しかし、2012年になって景気が回復してくると、IPOの件数や勝率も戻ってきています。
このように、不景気のときを除けば、IPOの勝率は80%前後で高い値であることがわかるかと思います。
②IPOの勝率が高い理由
データを見てみるとIPOの勝率が高いことはわかりましたが、その理由が気になるかと思います。
IPOの勝率が高くなる理由の一つに、買うときの公募価格が安いことが挙げられます。公募価格が割安になることを専門用語で「IPOディスカウント」と呼びます。
ここで、証券会社と相談して企業が公募価格を割安にするのですが、その理由は2つ考えられます。
①未上場でよくわからない会社なので、株を安くして投資家を広く募集するため
②上場後、株価を堅調に推移させるため
上記のような理由があるため、企業は公募価格を割安にしているのです。その結果、IPOを買うときには安く買え、売るときには高く売ることができるのです。
③管理人のIPO当選実績
上の画像は、SBI証券から「No.1」のIPOに100株、大和証券からネット申込で「オプトラン」のIPOに100株当選したときです。
実際に管理人も、2017年だけでもIPOに2回当選していて、合計28万円以上の利益を得ています。
たしかに、IPOにはなかなか当たらないのですが、当選したときの利益は大きいのです。管理人は、IPO投資ほど利回りの高い投資を他に知りません。
2.IPO投資は、初心者でも簡単にできる
IPO投資は、買うときの「公募価格」より売るときの「初値」が高くなる場合が多いため、初心者でも簡単に儲けることができます。
しかも、IPOを抽選で買って上場日に初値で売るだけですので、高度な専門知識はいりません。
具体的には、IPOの募集がされたときに証券会社を通じて応募をし、上場日に「成行売り注文」を出せば良いのです。
成行注文とは、値段を指定しない注文方法であり、注文が即時に成立することです。
このように、IPO投資は、株式投資の初心者でも儲けやすい投資と言えます。
3.IPOの応募、購入の手数料は無料
IPOを応募、購入するときに、個人投資家に手数料は一切かかりません。
ただし、IPOを売るときには、証券会社の株式の売買手数料がかかります。証券会社によって手数料は異なりますが、手数料の安いネット証券であれば、数百円程度です。
このように、IPOの応募、購入の手数料は無料ですので、積極的にIPO投資にチャレンジしましょう。
4.IPOの抽選に外れても資金が減らない
IPOは、人気があるため買うときに抽選になり、落選することが多いです。しかし、IPOに落選しても資金は減らないのです。
ここで、普通の株取引で失敗をして、損をした経験がある人も多いと思います。管理人も、儲かっていた時期もありましたが、結局、損をして資金を減らしてしまいました。
知っている方も多いと思いますが、株は、短期売買をするとゼロサムゲームになります。ゼロサムゲームとは、儲かった人と損をした人の総和(サム)を合計するとゼロになることです。
つまり、株の世界では、「勝者」もいれば「敗者」もいるのです。
しかし、IPO投資であれば、抽選に外れても、資金が減ることはありません。つまり、何度でも失敗ができ、「IPOにより多く申し込んだ人が勝つ世界」なのです。
たしかに、IPOに落選すると、申し込んだ手間が無駄にはなってしまいますが、損をすることはないのです。
これが、管理人がIPO投資をおすすめする大きな理由でもあります。
IPO投資のリスク(デメリット)と対策
IPO投資のリスク(デメリット)とその対策を以下に3つお伝えします。
1.IPOの抽選に当たりにくい
IPO投資は、勝率が高くて少額から投資ができるため、人気が高く抽選に当たりにくいのも事実です。
対策としては、IPOの募集に積極的に応募をして、数を打つことが重要です。
このとき、同じIPOでも証券会社が異なれば複数応募をすることが可能ですので、抽選回数を増やすようにしましょう。当然、同じ当選確率であれば、IPOの抽選回数を増やしたほうが有利と言えます。
私も、IPOに申し込むときは、複数の証券会社から応募をするようにしています。
2.IPOが公募割れをして損する場合がある
IPO投資は、買うときの「公募価格」より売るときの「初値」が低くなり、損をする場合がたまにあります。初値が公募価格を下回ることを、専門用語で「公募割れ」と言います。
対策としては、IPOに募集をする前に、新規上場する会社について情報収集をしましょう。IPOの初値予想をすることが重要です。
具体的には、会社の事業内容や上場の注目度などを調べましょう。事業内容に新規性があり、注目度が高い場合は、初値が高くなります。
IPOの情報取集をして、イマイチだと思った場合には、IPO抽選の参加を見送りましょう。そうすれば、損をしなくてすみます。
私も、IPOの情報取集をして、初値が高くならなそうなときは、IPOの応募を見送っています。
3.上場後の株価の値動きが激しくて、IPOの売り時を見極めるのが難しい
IPO直後は、しばらく株価の値動きが激しくなります。なぜなら、IPOの売り買いが盛んに行われるからです。
このような状況下では、売り時をいつにするのかを悩んでしまいます。
ここで、できるだけ高値でIPOを売りたいですが、いつが高値かわからないものです。もう少し早く売れば良かったと思うときもあれば、もう少し保有しておけば良かったと思うかもしれません。
対策としては、売り時を逃さないために、IPOは初値で売るようにし、上場日に「成行売り注文」を出しておくようにしましょう。そうすれば、株価の値動きが激しくなる前に、悩むことなく利益を確定させることができます。
実際、迷うのが嫌なので、私もIPOは初値売りをしています。
まとめ
このページでは、「IPOは本当に儲かるのか? IPOのリターン、リスクと対策を解説!」をお伝えしました。もう一度、おさらいをしますと以下のとおりです。
IPO投資のリターン(メリット)
1.IPO投資は、ローリスク・ハイリターンの投資
2.IPO投資は、初心者でも簡単にできる
3.IPOの応募、購入の手数料は無料
4.IPOの抽選に外れても資金が減らない
IPO投資のリスク(デメリット)と対策
1.IPOの抽選に当たりにくい
→複数の証券会社からIPOに応募をして、抽選回数を増やす
2.IPOが公募割れをして損する場合がある
→初値予想の情報取集をして、イマイチだと思った場合には、IPOに申し込まない
3.上場後の株価の値動きが激しくて、IPOの売り時を見極めるのが難しい
→株価の値動きが激しくなる前に、IPOは上場日に初値で売る
私も、上記の内容を意識して、積極的にIPO投資を行っています。IPOの魅力が伝えられていたら幸いです。
次に、「どうやってIPOを買えばよいのか?」を知りたい人も多いと思います。
当サイトの以下のページに、「初心者へ IPOの買い方と売り方をSBI証券を例に説明!」のページに移動できるようになっていますので、良ければ参考にしてください。