初めてIPO投資をする人は、IPOの買い方や売り方がよく分からないかと思います。
IPO投資は、初心者でもできる勝率が高い投資です。
しかし、投資方法を間違えてしまうと、IPOの当選が無効になってしまったり、売り時を逃してしまったりして、もったいない結果になってしまいます。
そこでこのページでは、IPOの購入から売却までの流れをお伝えします。その後、SBI証券からIPOを買う方法、売る方法を具体例としてお見せします。
目次
IPO(新規公開株)の買い方から売り方までの流れ
IPO投資をするときには、大きく5つのステップが必要です。
1.IPO(新規公開株)の情報を入手する
2.ブックビルディング(需要申告)期間中にIPOを申し込む
3.抽選日にIPO抽選結果を見る
4.購入期間中に当選したIPOの「購入の意思表示」をする
5.上場日にIPOを初値で売る
以下、各ステップを詳細に説明します。
1.IPO(新規公開株)の情報を入手する
魅力的なIPO投資ですが、残念ながら、IPOの募集は常にされているわけではありません。年間50~100件ほどの新規上場があり、上場のときにIPOの募集がされます。
そのため、IPOの情報を入手し、タイミングを合わせて投資をする必要があります。
このIPOの情報は、主に証券会社から入手できます。
しかし、IPOの情報がないかを毎日チェックするのは少し大変です。そのため、私は、以下の手順でIPOの情報を入手しています。
①証券会社からIPO募集のお知らせメールを受け取る
証券会社の中には、IPOの募集があったときに、お知らせメールを発信してくれるサービスがあります。
私は、複数の証券会社からIPOお知らせメールが届くようにしておき、募集を見逃さないようにしています。このようにすれば、毎日チェックをする必要がなく、忙しく生活をしていても募集情報をつかむことができます。
具体的には、IPOの取り扱い数が多くて、IPOのメール通知サービスがある「SMBC日興証券」と「マネックス証券」の口座を作っておくと、IPO情報を入手できて便利です。
ここで、IPOの募集があったときに、会社名、申込期間、抽選日、購入期間、上場日(売り出し日)を確認します。詳しくは、後ほど説明します。それぞれ期限が設定されていますので、スケジュール管理に注意しましょう。
②「IPO 一覧」などで検索して、IPO応募のアタリをつける
「IPO 一覧」などで検索して、新規上場する会社の情報(主幹事証券、事業内容、注目度など)を調べましょう。
主幹事証券とは、会社が新規上場する際に、IPOを取り仕切る証券会社のことです。IPOは、主幹事証券となる証券会社(1社)に約8割~9割を割当てられます。
そのため、IPOを狙うなら、主幹事証券から申し込みをしたほうが当選しやすいので、ぜひとも確認しておきたい項目です。
また、会社の事業内容や上場の注目度から初値予想を立てます。事業内容に新規性があり、注目度が高い場合は、初値が高くなります。
ここで、初値予想が立てられないときは、「IPO 銘柄名 初値予想」などで検索をして情報収集をしていきましょう。
また、上の画像にあるように、当サイトでもIPO情報や初値予想や幹事証券などをお伝えしています。
良ければ、以下のページをブックマークしておいてください。随時、IPO情報をお伝えしますので、時々ページを見ていただくだけで、新着のIPO情報を楽に入手できるかと思います。
このように、IPOの主幹事証券、事業内容、注目度などを確認しておき、どの会社に応募をするかのアタリをつけておくといいでしょう。
③目論見書(もくろみしょ)を見てIPO募集要項や会社の事業内容などをチェック
目論見書には、新規に上場する会社のIPO募集要項、事業内容、業績、財務諸表などが記載されています。
しかし、目論見書を熟読しようとすると、ページが大量にあり、読むのに時間がかかってしまいます。
目論見書の読み方に慣れれば、必要な箇所だけを読むことができます。しかし、初心者はどこを重点的に読めば良いのかが分からないかと思います。
当サイトの「IPOで儲かる、損する銘柄の特徴は? 目論見書の見方を5つ解説!」に目論見書の見方をお伝えしていますので、良ければ参考にしてください。
2.ブックビルディング(需要申告)期間中にIPOを申し込む
IPOを取得するためには、ブックビルディング(需要申告)期間中に証券会社に申し込みが必要です。
ブックビルディング(需要申告)とは、IPOの需要状況を把握するために、上場する会社が仮条件を投資家に提示することです。この段階では、IPOの購入は確定されません。
このブックビルディングは、先着順に受付をしているわけではありませんので、早く申し込んだからと言って当選確率が上がるわけではありません。
例えば、ブックビルディングにIPOの仮条件は「2,000円~2,500円」などと提示され、投資家は範囲内での希望価格と申込株数を伝えます。
このとき、昨今は人気があるため、最高額2,500円を希望しないと買えません。申込株数が100のとき、2,500円×100株数で、IPOの投資金額は25万円となります。
証券会社によっては、IPOに申し込む前に入金が必要
証券会社によっては、IPOの応募時に事前に口座に入金が必要です。この入金をしないと、IPOに応募ができないので、入金を済ませておきましょう。
ネット銀行を利用すれば、入金がすぐにできるのでおすすめです。
補足ですが、IPOを申し込むときに資金が不要な証券会社もあります。つまり、IPOの事前入金はしなくて良く、IPO当選後に入金をすればよい証券会社もあります。
当サイトでは、IPO申し込み時に資金が不要な証券会社も載せていますので、良ければ参考にしてください。
証券会社によっては、二段階でIPOの申し込みが必要
証券会社によっては二段階でIPOの申し込みが必要な場合があります。例えば、楽天証券、松井証券、岩井コスモ証券などでは、二段階の申し込み方式です。
当サイトでは、証券会社ごとにIPOの抽選ルールもまとめていますので、良ければ参考にしてください。
3.抽選日にIPO抽選結果を見る
ブックビルディング期間中に証券会社に申し込みが終わったら、あとは抽選日の抽選結果を待つだけです。この抽選結果は、証券会社がメールで知らせてくれる場合とそうでない場合があります。
そのため、自分で証券口座にログインをして抽選結果を確認するようにしましょう。私は、抽選結果の日を手帳やカレンダーにメモしておき、忘れないようにしています。
4.購入期間中に当選したIPOの「購入の意思表示」をする
ここで注意点として、抽選に当選しただけでは、IPOを取得できないことがあります。そのため、購入期間中に「購入の意思表示」をする必要があります。
ただし、松井証券やカブドットコム証券などは、IPOの購入申込み後に抽選が始まるため、当選後の「購入の意思表示」の必要はありません。
例えば、ネット証券の場合は、ログイン後に「購入の意思表示」をクリックして、取引パスワードを入力すれば問題ありません。
もし、「購入の意思表示」を忘れてしまうと、せっかくの当選が無効になってしまいますので、注意しましょう。
この「購入の意思表示」後は、申し込みのキャンセルができなくなってしまいます。そのため、「購入の意思表示」をする前に、IPOの初値予想を見直しておきましょう。
初値売りで損をしそうだから、IPO当選後にキャンセルをしたいときは?
もし、IPO当選後に辞退をしたいと思ったら、「購入の意思表示」をせず、キャンセルをすれば辞退が可能です。
このIPO当選後の辞退は、SBI証券やマネックス証券などであれば問題なく可能です。
ただし、一部証券会社では、辞退した場合、一定期間IPOの申し込みができなくなるなどのペナルティがありますので注意が必要です。
また、二段階でIPOの申し込みをしている証券会社では、IPO当選後のキャンセルができません。
このへんのIPO申し込みルールについても、当サイトで証券会社ごとにまとめていますので、良ければ参考にしてください。
5.上場日にIPOを初値で売る
私は、IPOを上場日に「成行」売り注文を出して、初値で売るようにしています。成行とは、値段指定をしない注文のことです。
たしかに、もう少し保有していれば株価が上がり、もっと儲かるかもしれません。
しかし、私は、売り時を逃してしまうのが嫌なため、初値で売るようにしています。もし、売り時を逃してしまうとIPO投資の旨みがなくなってしまいます。
もちろん、会社の将来性をしっかりと分析できる場合には、初値で売らずに少し保有をしてから売ってもかまいません。
事前に自分の投資ルールを決めておき、あまり欲張らないことがIPO投資でも重要です。
SBI証券からIPOを買う方法
IPOの情報収集が済んでいて、買うIPOが決まっているとします。また、証券口座にIPOに申し込むための資金が入金済みだとします。
1.SBI証券からブックビルディング(需要申告)へ参加
SBI証券からIPOを買うために、ブックビルディングの参加が必須です。このブックビルディング終了後にIPOの抽選が開始されます。
①「国内株式」から「IPO・PO」をクリック
SBI証券にログイン後、「国内株式」から「IPO・PO」をクリックします。
②「新規上場株式ブックビルディング/購入意思表示」をクリック
「新規上場株式ブックビルディング/購入意思表示」をクリックします。
③ブックビルディングに参加する銘柄の「申込」をクリック
申し込みたい銘柄を選択して、ブックビル期間内に「申込」をクリックします。
④新規上場株式ブックビルディング申込
「申込株数」は、上限で入力してください。なぜなら、SBI証券では、申込株数に応じて抽選がされるため、申込株数が多いほど当選しやすくなるからです。他の証券会社では、100株だけの申し込みで十分です。
また、「価格」は仮条件の上限(今回は1,240円)を入力しないと、人当な銘柄は当選しません。
もしくは、「価格」は「ストライクプライス」にチェックを入れてください。ストライクプライスとは、どの価格になっても買う意思があるのを示すことです。
管理人の経験上、「価格」の上限を入力するより、「ストライクプライス」にチェックを入れる方が楽です。
⑤申込内容を確認して「申込」をクリック
申込内容を確認して「申込」をクリックします。
⑥ブックビルディング申込受付の確認
ブックビルディング申込の受付がされていることを確認します。
以上で、ブックビルディングの参加が完了です。あとは、抽選日まで待ち、抽選結果を確認します。
2.SBI証券のIPO抽選結果の確認
抽選日がきたら、抽選結果の出る18時以降に「新規上場株式ブックビルディング/購入意思表示」をクリックして、申し込んだIPO銘柄の抽選結果を確認します。
抽選結果は、「落選」か「当選/株数」で表示されます。このとき、申し込んだ銘柄が当選していたら、「購入意思表示」の日にちまで待ちます。
一方、IPOに落選していたら、IPOを買うことはできません。また、同じように新しいIPOに申し込みましょう。
3.SBI証券で当選したIPOの「購入意思表示」をする
①「当選株購入」をクリック
「購入意思表示」の日にちが来ると、「当選株購入」と「辞退」のボタンが出てくるので、「当選株購入」をクリックします。
②「契約締結前交付書面を閲覧する」をクリック
「契約締結前交付書面を閲覧する」をクリックします。
③契約締結前交付書面の内容確認後、「内容を理解しました」をクリック
契約締結前交付書面の内容確認後、「内容を理解しました」をクリックします。
④「目論見書を閲覧する」をクリック
「目論見書を閲覧する」をクリックします。
⑤購入意思株数を入力
希望する「預かり区分」に「購入意思株数」を入力します。当選した株数すべてを入力してください。
⑥内容を確認して「購入」をクリック
内容を確認して「購入」をクリックしてください。
⑦購入意思表示の受付確認
購入意思表示の受付確認をします。
⑧購入の完了確認
購入が終わると、「購入意思表示」が上記のように表示されます。
SBI証券から当選したIPOを初値売りする方法
SBI証券からIPOを初値売りする方法をお伝えします。
IPOを初値売りするために、上場日の朝9時までに「成行」で現物売りの注文を出します。
ここで、上場日の前日には、まだ注文ができない点に注意してください。そのため、上場日当日の朝から株式市場が始まる午前9時までに注文を出してください。
①「口座管理」をクリック
SBI証券にログイン後、「口座管理」をクリックします。
②「現売」をクリック
ポートフォリオに購入したIPO銘柄が表示されるので、「現売」をクリックします。
③現物売りの注文入力
通常の株取引と同様に株数を入力します。ここで、市場が開き初値が決定したらすぐに約定させるために、価格は「成行」、期間は「当日中」を選択して注文確認画面に進みます。
④内容を確認後、「注文発注」をクリック
内容を確認後、「注文発注」をクリックします。
⑤注文受付の確認
後は、初値で約定するのを待つだけです。
ここで、初値が付くためには、需給が一致する必要があります。つまり、株式市場が開いても、適正価格になるまで注文が成立しません。
管理人が「No.1」を初値売りしたときは、上場日の午前中には初値がつかず、午後になってからようやく初値が付き注文が約定しました。
このとき、初値がすぐに決まらないと、そわそわする人もいるかもしれません。
しかし、この場合、価格が上昇していて、初値売りをすると大きな利益が得られますので、しばらく待つようにしましょう。
⑥初値売りの利益をチェック
SBI証券にログイン後、「取引」の「当日約定一覧」から、初値がいくらだったかと初値売りの利益を確認します。
管理人が「No.1」を初値売りしたときは、初値が3,460円、公募価格が1,570円、100株当選だったので初値売り利益は189,000円となりました。
以上がSBI証券のIPOの買い方と売り方です。
SBI証券のIPOの抽選方法については、当サイト内の「SBI証券のIPO抽選方法やルール、IPO取扱実績、IPO当選のコツ」にまとめていますので、良ければ参考にしてください。
まとめ
このページでは、IPO(新規公開株)の買い方から売り方までの流れをお伝えしました。もう一度、おさらいをしますと以下のとおりです。
1.IPO(新規公開株)の情報を入手する
2.ブックビルディング(需要申告)期間中にIPOを申し込む
3.抽選日にIPO抽選結果を見る
4.購入期間中に当選したIPOの「購入の意思表示」をする
5.上場日にIPOを初値で売る
初めてIPO投資をする人は、けっこう大変な作業に感じてしまうかもしれません。しかし、慣れてしまえば、短時間でIPOの申し込みをすることができます。
次に、「どのようなIPOに申し込めば良いのか?」を知りたい人も多いと思います。
当サイトの以下のページに、「IPOで儲かる、損する銘柄の特徴は? 目論見書の見方を5つ解説!」のページに移動できるようになっていますので、良ければ参考にしてください。