あなたは、「IPOに当選したら、その銘柄を必ず買わなければいけないのか?」と疑問に思っていませんか?
IPOに当選するためには、できるだけ多くのIPOに申し込む必要があります。このとき、IPOの初値が高くつくか悩ましい銘柄もありますが、当選のために一応申し込んでおく人も多いと思います。
ここで、微妙なIPO銘柄に当選してしまって、初値売りで損をしそうだと後から分かり、やっぱり購入のキャンセルをしたいと考えることもあるはずです。
しかし、証券会社によって、IPO当選後のキャンセルにペナルティがあったり、そもそも当選辞退ができなかったりします。
IPOの抽選ルールは、証券会社によって異なります。それぞれの抽選ルールを理解することが、IPO投資では大事になってきます。
そこでこのページでは、IPO当選後のキャンセルでペナルティがある証券会社を4社お伝えします。
目次
IPO当選後のキャンセルでペナルティがある証券会社一覧
証券会社 | 当選辞退・ペナルティ | IPO取扱実績 | IPO抽選ルール |
SMBC日興証券 | 可能・あり | とても多い | 詳細 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 可能・あり | やや多い | – |
岡三証券 | 可能・あり | やや多い | – |
東洋証券 | 可能・あり | とても少ない | – |
上記の表にある証券会社4つは、IPO当選後のキャンセルでペナルティがありますので注意が必要です。
以下、証券会社ごとに、もう少し詳しく見ていきましょう。
1. SMBC日興証券
【SMBC日興証券 IPO当選後のキャンセルでペナルティ】
・今後「1ヶ月間」は、IPOの申し込みができない。
・同時期に申し込んでいた他のIPOの抽選も無効になる。
補足ですが、最初の抽選が終わった後で「補欠申込」を行わなかったり、補欠申込を取消をしたときは、ペナルティはありません。
2. 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
【三菱UFJモルガン・スタンレー証券 IPO当選後のキャンセルでペナルティ】
・今後「1ヶ月間」は、IPOの申し込みができない。
・同時期に申し込んでいた他のIPOの抽選も無効になる。
補足ですが、事実上の落選の「次点(補欠当選)」になったときは、購入申込を行なわなかったり取り消したりしても、ペナルティにはなりません。
3. 岡三証券
【岡三証券 IPO当選後のキャンセルでペナルティ】
・今後、オンライントレードから、IPOの申込みができない。
ここで、IPO当選後にキャンセルをすると、「どのくらいの期間、IPOに申し込めなくなるのか?」や、「もう絶対オンライントレードからIPOに申し込めなくなるのか?」などの疑問は、公式ページには書かれていません。
そこで、管理人がメールで問い合わせをしたところ、電話で以下のような回答をいただきました。
できればメールで回答を頂けたら、画像でお伝えすることができて、もっとわかりやすかったのですが。
メールの内容:IPO当選後のキャンセル(辞退)はできないのでしょうか? もし、キャンセルした場合、どうなりますか?
岡三証券:「お問合せありがとうございます。IPOのお問合せの件ですが、お買付いただける前提で申し込みを頂いているので、キャンセルすると今後のIPO申し込みはできなくなります。」
管理人:「あー、そうなんですね。期限とかがあるわけではなく、ずっとなんですか?」
岡三証券:「ずっとですね。」
管理人:「わかりました。ありがとうございます。」
そのため、岡三証券からIPO当選後のキャンセルはオススメしません。ペナルティの期限がずっとのため、キャンセルするのが一番マズい証券会社と言えそうです。
補足ですが、グループ会社の「岡三オンライン証券」は、IPO当選後にキャンセルができ、ペナルティもありません。名前が似ているので、間違わないように注意しましょう。
4. 東洋証券
【東洋証券 IPO当選後のキャンセルでペナルティ】
・同時期に申し込んでいた他のIPOの抽選が無効になる。
・今後「1ヶ月間」は、IPOの申し込みができない。
補足ですが、補欠当選をしたあとに申込みを行なわなかった場合は、ペナルティにはなりません。
初値売りで損をしそうなら、ペナルティ覚悟でIPO当選後にキャンセルするべきか?
証券会社によって、以下のように対応をわけるべきだと考えています。
SMBC日興証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の場合
明らかに初値売りで損をしそうな銘柄に当選をしてしまったとき、管理人ならペナルティ覚悟でキャンセルをすると思います。
なぜなら、今後1ヶ月間でIPOに当選をして、損した分を取り返せる可能性が低いからです。
ただし、12月や3月であれば、IPOが多い時期で当選も考えられますので、ペナルティの方を避けるかもしれません。
まとめると、「どの程度の損が出そうなのか?」や「今後のIPOの予定」を考え、最終的にキャンセルするかどうかを決めると思います。
東洋証券の場合
東洋証券は、ネットから申し込めるIPOは主幹事のときだけです。これは、2、3年に1回程度ですので、ペナルティ覚悟でキャンセルをしても問題ないです。
岡三証券の場合
岡三証券では、今後のことを考えると、キャンセルはしない方が良いでしょう。
IPO当選後のキャンセルができない証券会社一覧
証券会社 | IPO当選後キャンセル | IPO取扱実績 | IPO抽選ルール |
岩井コスモ証券 | できない | やや多い | 詳細 |
カブドットコム証券 | できない | やや少ない | 詳細 |
楽天証券 | できない | 少ない | 詳細 |
GMOクリック証券 | できない | とても少ない | 詳細 |
岩井コスモ証券、楽天証券、GMOクリック証券、カブドットコム証券では、IPO当選後のキャンセルができません。
これらの証券会社の共通点は、IPOの申し込みが二段階であることです。
一般的に、IPOは、ブックビルディング(需要申告)期間に申し込みをして、抽選結果を待ちます。しかし、二段階申し込みの証券は、ブックビルディング後の購入期間で「購入申込」も行う必要があります。
おそらく、二段階の申し込みにしているため、IPO当選後のキャンセルができないのだと思います。
一方、需要申告をした後、微妙な銘柄だと後から分かった場合、「購入申込」をしないことはできます。
そのため、上記の証券会社では、事前に銘柄分析をしっかり行い、自信を持ってIPOに申し込む必要があります。
ここで、もし、微妙なIPO銘柄に当選をしてしまったら、初値売りをして早めに損切りをするべきです。なぜなら、売るタイミングを考えていると、どんどん損が大きくなってしまうでしょう。
IPO当選後にキャンセルができペナルティなしの証券会社
証券会社 | 当選辞退・ペナルティ | IPO取扱実績 | IPO抽選ルール |
SBI証券 | 可能・なし | とても多い | 詳細 |
マネックス証券 | 可能・なし | 多い | 詳細 |
ライブスター証券 | 可能・なし | 少ない | 詳細 |
丸三証券 | 可能・なし | 少ない | 詳細 |
立花証券 | 可能・なし | とても少ない | 詳細 |
むさし証券 | 可能・なし | 少ない | 詳細 |
岡三オンライン証券 | 可能・なし | 多い | 詳細 |
松井証券 | 可能・なし | やや少ない | 詳細 |
DMM.com証券 | 可能・なし | 少ない | 詳細 |
野村証券 | 可能・なし | 多い | ー |
大和証券 | 可能・なし | 多い | ー |
みずほ証券 | 可能・なし | 多い | ー |
いちよし証券 | 可能・なし | やや多い | ー |
上記の証券会社は、IPOの当選後にキャンセルができ、ペナルティもありません。
しかし、ペナルティがないからと言って闇雲にIPOに申し込むことはオススメしません。なぜなら、事前に入金が必要な証券会社も多いので、資金移動の手間がそれなりにかかるからです。
事前に銘柄分析をある程度は行ったうえで、複数の証券会社からIPOを申し込むようにしましょう。
ただし、SBI証券に限って言えば、IPOチャレンジポイントを貯めるために、すべてのIPOに申し込むべきです。
SBI証券からIPOチャレンジポイントを貯めよう
SBI証券では、落選してもIPOチャレンジポイントが貯まります。そのため、管理人も積極的に「微妙なIPO」にも申し込んでいます。
なぜなら、IPOチャレンジポイントを貯めることで、SBI証券からのIPO当選に近づくからです。もし「微妙なIPO」に当選しても、ペナルティなしでキャンセルができます。
実際に、上の画像は、微妙なIPO「アルヒ」にSBI証券から「補欠当選」したときです。このIPOは、初値売りで損をする可能性が高いと判断したので、「購入手続き」は行いませんでした。
ここで、補欠当選でも辞退をしてしまうと、残念ながらIPOチャレンジポイントは貯まりません。また、IPOチャレンジポイントを使ったときは、当選・補欠当選の辞退をすると、ポイントが消失してしまうので注意が必要です。
もう一つ注意点ですが、IPOチャレンジポイントのために応募をした「微妙なIPO」が当選したとき、良い銘柄だと錯覚しないようにしたいところです。
つまり、IPOに申し込むときに「当選したら購入するのか? キャンセルするのか?」は決めておかないと、当選したときに予定が変わって、「微妙なIPO」を買ってしまうかもしれません。
それを防ぐために、事前にIPOの銘柄分析を行い、ある程度は初値予想をしておき、予定を崩さないようにしましょう。
ペナルティがなく、IPOの申込前受金も不要な証券会社
証券会社 | 当選辞退・ペナルティ | IPO申込前受金 | IPO取扱実績 | IPO抽選ルール |
岡三オンライン証券 | 可能・なし | 不要 | 多い | 詳細 |
松井証券 | 可能・なし | 不要 | やや少ない | 詳細 |
ライブスター証券 | 可能・なし | 不要 | 少ない | 詳細 |
むさし証券 | 可能・なし | 不要 | 少ない | 詳細 |
DMM.com証券 | 可能・なし | 不要 | 少ない | 詳細 |
野村証券 | 可能・なし | 不要 | 多い | ー |
いちよし証券 | 可能・なし | 不要 | やや多い | ー |
上の表の証券会社は、IPO当選後のキャンセルでペナルティがなく、IPO申込前受金も不要です。
つまり、申し込めるときは、とりあえずIPOに申し込んでおくべき証券会社なのです。しかも、IPO申し込みの前受金が不要ですので、資金不足の人でも問題ありません。
ここで、IPOの初値予想は、上場日が近づくと変わっていることもあります。最初は、あまり儲からないと思われていたIPO銘柄でも、後で初値予想が上方修正されることもあるのです。
このとき、IPOに申し込んでおけば当選のチャンスがあったかもしれません。なぜなら、少し不人気なIPO銘柄の方が当選しやすいからです。明らかに儲かるのが分かっている銘柄は、申し込みが殺到するので当選もしにくいのです。
上の画像は、実際に管理人が「オプトラン」のIPOに、大和証券のネット申込から当選したときです。
この銘柄は、最初のIPO初値予想では、あまり儲からないだろうと言われていました。しかし、上場日が近づくにつれて、初値予想が上方修正されて、実際に初値売りで10万円近く利益が出ました。
このIPOは、岡三オンライン証券、野村證券、むさし証券からも申し込むことができましたので、申し込んでおけば良かったと後悔している人もいるはずです。
このように、証券会社のIPO抽選ルールを知っていれば、IPOの抽選機会を増やせるのです。
当サイト内の「IPOにおすすめ証券会社」に、各証券会社のIPO抽選ルールも載せていますので、良ければ参考にしてください。