あなたは、当選確率の高いIPOを狙うべきではない理由をご存知でしょうか?
IPO(Initial Public Offering)とは、企業が株式市場に新規に上場することです。投資家は、上場した株を自由に売買できるようになります。上場するときに新しく株式市場に売り出される株を「新規公開株」といいます。
IPO投資とは、証券会社からIPOを抽選で取得して、初値がついたらすぐに売ることです。
IPO投資は、初心者でも簡単にできて、勝率が高いというメリットがあります。しかし、人気があるため、IPOを買うときに抽選になり、当選しにくいという問題点もあります。
このとき、IPOになかなか当選をしないために、まずは当選確率の高い銘柄を積極的に狙うべきかと考えるかもしれません。
しかし、私は、あまりにも当選確率の高いIPOに応募をすることをおすすめしません。なぜなら、当選確率の高い銘柄は、当選本数が多くて買っても損をしてしまう可能性が高いからです。
そこでこのページでは、当選確率の高いIPO(新規公開株)を買うべきではない理由をお伝えします。
目次
当選確率の高いIPOを狙うべきではない理由
IPOの当選確率は、当選本数と応募者数の関係で決まります。
ここで、仮に応募者数を一定とすると、当選確率の高いIPOとは、当選本数が多い銘柄のことになります。
つまり、当選本数が多い銘柄に応募をすれば、必然的に当選確率は高くなります。しかし、当選本数が多い銘柄を狙うことはデメリットもあります。
それは、初値売りをして損をする可能性が高いことです。初値売りとは、IPOを公募価格で取得して、企業が上場する日に初値で売ることです。
ここで、2016年6月に「コメダホールディングス」が上場したときを例に説明します。「コメダホールディングス」の事業内容は、「珈琲(コーヒー)所コメダ珈琲店」チェーンなどを運営する子会社の経営管理などです。
「コメダホールディングス」の公募価格は1,960円、初値が1,867円でしたので、100株取得の場合、初値売りで9,300円の損をしたことになります。IPO(新規公開株)の当選株数は30,700,000株数ですので、当選本数は307,000本でした。
別の例を示すと、「KHネオケム」は2016年10月に上場しました。「KHネオケム」の事業内容は、可塑剤原料、溶剤、冷凍機油原料などの化学品の製造や販売です。
「KHネオケム」の公募価格は1,380円、初値が1,306円でしたので、100株取得の場合、初値売りで7,400円の損をしたことになります。IPO(新規公開株)の当選株数は30,376,500株数ですので、当選本数は303,765本でした。
どちらの銘柄も、当選本数が多く、初値売りで損を出しています。
勝率が高いと言われているIPO投資でも、このように当選本数が多いときには、公募割れをして損をすることがあります。公募割れとは、初値が公募価格を下回ることです。
このように、当選確率の高いIPOを狙うと、初値売りで損を出してしまうことが多いので、おすすめしません。
IPO(新規公開株)の当選本数と初値の関係
ここで、当選本数がどのくらいで多いと言えるのかが疑問になると思います。以下に、当選本数と初値の関係をまとめましたので参考にしてください。
当選株数(売出株数+公募株数) | 当選本数(売買単位100株の場合) | 当選しやすさ | 初値上昇 |
100万株数未満 | 1万本未満 | 小 | 大 |
100万株数以上200万株数未満 | 1万本以上2万本未満 | 中 | 中 |
200万株数以上 | 2万本以上 | 大 | 小 |
私は、当選本数が2万本を超えると、当たりやすいIPOの部類に入ると考えます。また、当選本数が多い銘柄の初値は高くなりにくいとも考えています。
当選本数の多い銘柄の初値が高くならない理由は、IPOの初値売りをしている投資家が多く、買いに対して売りが多いからだと思います。
さらに、IPOの抽選に多くの人が当たるため、抽選に外れた後に、初値で買う投資家が少ないからではないでしょうか?
どちらにしても、初値が高くつかなければ、IPOに当選をしても意味がないのです。なぜなら、初値売りをした瞬間に損をしてしまいますから。
そのため、私はIPOに応募をするときに、当選本数が多すぎないかもチェックしています。特に、当選本数が10万本を超えるときには、初値売りで利益が出ないと判断して、応募を見送ったりもしています。
まとめ
このページでは、当選確率の高いIPOを買うべきではない理由をお伝えしました。もう一度、おさらいをしますと以下のとおりです。
・当選確率の高いIPOを積極的に狙うべきではない。なぜなら、当選本数が多いと初値売りで損をする可能性が高いため。
・IPOの当選本数が2万本を超えると当選本数が多いと言える。特に、当選本数が10万本を超えるときは、初値売りで損をしないかを慎重に見極めるべきである。
私も、上記の内容に注意してIPO投資を積極的にやっています。せっかく、IPOに当選をしても、初値売りで損をしてしまうのは残念です。
特に、大型IPOの募集を大々的にしているときは、当選本数が多い銘柄ですので、管理人は少し用心してしまいます。
このページを読んで、当選確率の高いIPOを狙うべきか迷っていた方の参考になったら幸いです。