あなたは、どこの証券会社が主幹事のときにIPO投資で儲けやすいかをご存知でしょうか?
IPO投資とは、証券会社からIPOを抽選で取得して、初値がついたらすぐに売る方法です。
IPO(Initial Public Offering)とは、企業が株式市場に新規に上場することです。投資家は、上場した株を自由に売買できるようになります。上場するときに新しく株式市場に売り出される株を「新規公開株」といいます。
主幹事証券会社とは、会社が新規上場する際に、IPOを取り仕切る証券会社のことです。
ここで、新規上場する会社から主幹事となる証券会社(1社)にIPOを約8割~9割ほど割当られます。割当数が多いため、IPOの応募をして抽選に当たりやすいと証券会社と言えます。
このとき、主幹事証券会社の違いで、IPO投資の儲けやすさが変わることをご存知でしょうか?
実際、IPO投資をするとき、儲けやすい主幹事証券会社は存在します。
そこでこのページでは、主幹事証券会社がどこであれば、IPOを積極的に狙うべきかと儲けやすい理由について説明します。
目次
どこが主幹事のときにIPOで儲けやすいか?
IPOを狙うとき、どこが主幹事証券のときに利益が出やすいのかが気になるかと思います。
私は、主幹事証券会社がどこかによって、初値売り利益に違いが見られるのかを気になったので調べてみました。初値売り利益とは、買うときの「初値」から売るときの「公募価格」を引いた分です。
以下の画像は、2016年7月に上場した無料対話アプリを運営する「LINE」を始点にして遡り、過去1年間のIPO投資の全成績をまとめています。これは、ヤフーファイナンスからデータを取得しており、売買単位は1単位100株のときです。結果、IPO投資の全成績は、88戦73勝13敗2分となりました。
「初値売り利益平均」が低い主幹事
画像より、野村証券、みずほ証券が主幹事証券会社のときは、「初値売り利益平均」が低いことが分かります。この2社の「初値売り利益平均」は10万円を下回っています。
「初値売り利益平均」が高い主幹事
一方、「初値売り利益平均」が高いのは、SMBC日興証券、SBI証券、大和証券が主幹事証券会社のときだとわかります。この3社の「初値売り利益平均」は、20万円前後であることがわかります。
つまり、主幹事証券会社の違いにより、「初値売り利益平均」が約2倍、金額にすると約10万円の差が出ることが分かります。
「その他」の主幹事
最後に、「その他」の主幹事証券会社ですが、「初値売り利益平均」は低いことがわかります。しかし、IPO投資の勝率は高いです。
これはあくまで予想ですが、勝率が高い理由は、主幹事になるときが少ないため、主幹事証券会社になったときは、特に慎重に案件を行っているためだと思われます。
その結果、公募割れをしないのではないでしょうか? 初値が公募価格を下回ることを専門用語で「公募割れ」と言います。
もし、公募割れが多い証券会社だと噂がたてば、投資家が買いたいと思わず、IPOを売り出すことが困難になります。
それを回避するためにも、主幹事の回数が少ない証券会社は、少し割安に公募価格を決めているのだと考えられます。公募価格を割安にすれば、上場後の初値は高くなりやすいですから。
主幹事の違いによりIPO初値売り利益に違いが出る理由
主幹事証券の違いにより、IPO投資で儲けやすさが変わることはわかりましたが、その理由が気になるかと思います。
管理人は、上場する株式市場の違いが大きく関係していると考えます。
つまり、IPOを狙うなら、マザーズやジャスダックなどの新興市場が大きな初値上昇が見込めるのです。
一方、IPOが東証1部や東証2部への上場するときは、「初値売り利益平均」が低くなっています。
マザーズ、ジャスダックの銘柄が多い証券会社
実際、「初値売り利益平均」が高いSMBC日興証券、SBI証券、大和証券は、マザーズやジャスダックなどの新興市場への上場案件が多く含まれています。
特に、SBI証券に関しては、上場9社中、9社すべてがマザーズへの上場でした。
東証1部、東証2部の銘柄が多い証券会社
一方、「初値売り利益平均」が低い野村証券は、上場23社中、12社が東証1部か東証2部への上場案件のため、新興市場への上場件数の割合が低くなっています。
やはり、東証1部や東証2部へ上場するIPOは、あまり大きな「初値売り利益」を期待できないかもしれません。
例外:みずほ証券
もう一方の「初値売り利益平均」が低いみずほ証券は、上場14社中、12社がマザーズかジャスダックへの上場でした。
これは、先ほどの考えとは違いますので、意外な結果でした。
みずほ証券は、新興市場へ上場する案件が多いのに、「初値売り利益平均」が低かったのです。このことに、管理人は疑問を持ちました。
これはあくまで予想ですが、みずほ証券は、買うときの「公募価格」をあまり割安にしていないため、初値が大きく上昇しにくいのではないでしょうか?
いずれにしても結果だけ見ると、みずほ証券が主幹事のときは、あまり大きな初値売り利益は期待できないかもしれません。
このように、すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、初値売り利益に違いが見られる理由は、主幹事証券がどこかのほかに、上場する株式市場が関係しているのではないかと思います。
まとめ
このページでは、どこが主幹事のときIPOで儲けやすいかをお伝えしました。もう一度、おさらいをしますと以下のとおりです。
・主幹事がどこかにより、IPO投資の儲けやすさが変わる。SMBC日興証券、SBI証券、大和証券が主幹事のときに初値売り利益が高くなるため積極的に狙うべき
・主幹事がどこであるかのほかに、上場する株式市場を見る必要もある。初値上昇が大きく見込めるマザーズやジャスダックなどの新興市場へ上場するIPOを狙うべき
私も、上記の内容を意識してIPO投資を行っています。どこが主幹事証券会社のときに、IPO投資で儲けやすいかとその理由の参考になったら幸いです。
実際に、「どのようなIPO銘柄に申し込めば良いのか?」を知りたい人も多いと思います。
当サイトの以下のページに、「IPOで儲かる、損する銘柄の特徴は? 目論見書の見方を5つ解説!」のページに移動できるようになっていますので、良ければ参考にしてください。