あなたは、配当金が少ない上場企業は悪い会社なのかを疑問に思ったことはありませんか?
配当金とは、権利付最終日に株を保有していた株主に対して、企業が儲けた利益の一部を還元することを言います。例えば、「今期の配当金は、1株あたり10円に決定しました」などと表します。
ここで、日本企業の配当利回りは2~3%前後です。この配当金は、保有株数に比例して受け取ることができるため、投資金額が大きいと配当金も大きくなります。
一方、配当金を出さない企業もあります。その理由は、業績が悪いからだとは必ずしも言い切れません。
企業が成長著しいときは、配当金を出さない方が投資家に喜ばれます。なぜなら、会社が成長して株価が上がる可能性が高く、税金面でも有利だからです。
そこでこのページでは、配当金が少ない上場企業は悪い会社なのかどうかをお伝えします。
目次
利益の使い方は企業が選べる
企業は、得た利益を事業に再投資してさらに利益を狙いに行くか、株主に配当金として還元するかを選択することができます。
もう少し正確に言うと、企業は得た利益を一旦、内部留保(社内留保)にしてから、再投資か株主還元のどちらをするべきかを考えます。
内部留保とは、利益が蓄積され、企業内部に貯まることです。
ここで、内部留保が多いと、株主還元を増やすよう提案されたりします。なぜなら、有効な資金の使い道がないのであれば、株主に利益を還元するべきだからです。
このように、企業が得た利益をどのように使うかは、株主も関心が高い事柄なのです。
配当金が少ない理由
配当金が少ない理由は、以下の2つが考えられます。
1.得た利益を再投資に回すため
成長著しい若い企業(ベンチャー企業含む)の場合、配当金を出さない方が投資家に喜ばれます。なぜなら、配当金として株主に還元をせずに、事業投資にお金を回した方が、会社の株価が上がるからです。
また、投資家は配当金を受け取った時点で課税がされますので、無配当で成長著しい企業に投資をしている方がロスがなく税金面で有利になります。
例えば、アメリカの「マイクロソフト」では、ベンチャー企業時代だけでなく、Windowsを売り出して高い利益を上げていたときも無配当でした。ようやく配当を出した年には、投資家から少し落胆の声が上がったそうです。
なぜなら、配当金を出すようになったと言うことは、会社がある程度成熟してしまったとも考えられるからです。つまり、今までのような会社の成長が見込めなくなったから、配当金を出すようになったとも考えられます。
残念ながら、日本の会社では、成長著しくて無配当な会社を見つけにくいのも事実です。このような会社を見つけることができれば、管理人も積極的に投資をしていきたいです。
2.業績が悪く、配当金を出している余裕がないから
会社の業績があまり良くない場合、配当金を出さないことがあります。
もし、業績が悪化している場合、配当金を出すより前に企業経営の立て直しが必要になります。そのとき、当然、資金も必要になりますので、配当金を出している余裕はありません。
ここで、もともと配当金を出していた東証1部上場の会社が、配当金を出さなくなる場合、業績悪化の可能性もあります。
なぜなら、東証1部上場の会社は成熟していることが多いため、事業投資でさらに大きな利益を追求できるとは考えにくいからです。
一方、ベンチャー企業だと、配当金を出さない理由がどちらなのかが分かりにくいと言えます。なぜなら、業績が悪化しているとも考えられるし、事業投資をすることで大きな利益が期待できるとも考えられるからです。
まとめ
このページでは、配当金が少ない上場企業は悪い会社なのかどうかをお伝えしました。
結論として、企業の規模や事業内容、業績を見てからではないと判断がつきません。最良の会社でも無配当はあり、最悪な会社でも無配当な場合があります。
もう一度おさらいをしますと、配当金が少ない理由は以下のとおりです。
1.得た利益を再投資に回すため
2.業績が悪く、配当金を出している余裕がないから
ここで、しっかりと企業分析ができれば、配当金が少なくても問題ないことがわかります。しかし、企業の状態を良く知らないと、配当金が少ない会社は悪い会社だと感じてしまうかもしれません。
このページを読んで、「配当金が少ない上場企業は悪い会社なのか?」の理解の参考になったら幸いです。
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